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EssayNo.12  緑、みどり、Green、Verde

荻野 敏(理事)

 新緑がまぶしい季節になった。そしてまた、梅雨という日本独特の季節ともなった。それにしてもこの時期はさまざまな色が映える季節だ。太陽の日差しがまぶしく感じる黄色、梅雨の晴れ間には美しい青や雲の白、木々の緑や雨の青もまた、彩りに華やかさを加えている。木々だけではなく草木も赤や黄や白といった花を美しく広げて人々の目を楽しませてくれる。そういえば、小学生の子どもたちの持つ傘の色も華やかで、雨というどうしても気分が落ち込んでしまいがちな天候を躍動感あふれる夏への序章へと変えてくれている。色はとても不思議な存在だと思う。文化によって色の見え方や呼び名や表現が変わることは良く知られている。例えばアフリカ諸国では虹は2色しかないとされているし、ヨーロッパでも3色や4色であるともいわれている。我々、日本人の感覚からすると虹は7色であり、それ以上でもそれ以下でもないと考えている。レインボーは時折「7」の代名詞や「たくさん」の代名詞でも使われている。野球でよく七色の変化球といわれるが、それが代表例であろうか。日本人は古くから色には大変敏感な民族であったことは有名な話だ。青や赤にも多くの呼び名があり、その場その場で色の名称を使い分けてきた。使い分けてきたから「分ける」ことができ、つまり「分かる」ことができたのだ。日本人から見たら虹は7色であるが他国からはそれより少ない色の数と認識される。日本人から見たら他国はおかしいかもしれないが、他国から見れば日本人がおかしいと感じられているのだろう。こんなところにも自己と他者のありようが現れているし、文化によって大きく物事・事象の理解が異なることが見受けられる。もちろんそれがユニークな人間の個性を作り上げているし、だからこそ文化や技術はさまざまな分岐を見せるし発達や発展もする。

* さて、緑の話に戻ろう。この時期、新緑がまぶしく映るのは国内なら大体どの地方も同じではないだろうか。私の家の右側には、音羽川という小さな川が流れており、その向こうに遠見山というこれまた小さな山が見える。緑という色は生命の息吹を感じさせてくれる色であるとつくづく思う。若い芽が盛んに伸びようとしている、若さ・成長の証のように見える。さらに地球上の多くの国や地域で緑は平和や安全のシンボル色として扱われており、日本でも緑は安全を現す意味性を帯びている。正直、もともとそんなに緑色が大好きというわけではなかった。応援しているプロ野球チームは青色だし、Jリーグチームは赤色がチームカラーだ。何より大好きなサッカー日本代表は青色をまとっているし、同様にイタリア代表はアッズーリで薄い青色である。考えてみれば小学校でも中学校でも高校でも色は緑に当たったことはなく、緑色に縁があるとは思えない。しかしそれが最近大きく変わってきているのを実感する。とにかく、色を選ぶときには緑色を選んでいる。思い当たる節はひとつ、今回の学術集会のメインカラー『緑』だ。なぜ緑なのか、その理由はあとづけでいくらでもつけることはできてしまう。とにかくメインカラーが緑なのだ。いつものように家族で買い物に行き、商品を選んでいて緑を選んだ瞬間に、ふと過去の経験によって行動が変容している自分を感じとっている。不思議なものだ。

 会員諸氏には学術集会の抄録が手元に届いていると思う。表紙や裏表紙は緑色を基調とし、抄録中には今回の学術集会で一部展示される写真集が数枚カラーで掲載されている。7月中旬、梅雨が明けるころ、真夏の日差しの中で第8回日本認知運動療法研究会学術集会が愛知県名古屋市で開催される。生命の息吹を感じさせる緑をまとって開催されるこの学会で、抽象的な未来ではなく2027年という私つまり荻野が定年退職する20年後の具体的未来を考えてみたい。それは3人称ではなく1人称の試みだ。第8回の学術集会は2007年の7月14日・15日に開催される。しかし、毎年新緑の季節になると第8回の学術集会を思い出し、再び考えてもらえるような、そんな学会にしたい。わが町の山と川、遠見山と音羽川を見ながら、ふと思った。

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